社会保険労務士(社労士)をお探しの方から、「何を聞いていいのか、何を検討材料にしてよいのかわからない」というお話をいただきます。たしかに社会保険労務士(社労士)の業務というのは、よく知られていません。どのポイントで社会保険労務士を比較、検討すればよいかという点を以下にまとめますので、参考になれば幸いです。
まず、社会保険労務士(社労士)と聞いて、何をする仕事か分からない方も多いと思います。
多くの社会保険労務士は、労働保険(労災保険、雇用保険)の手続き代行、社会保険(健康保険、厚生年金保険)の手続き代行(アウトソーシング)を主に行っています。
ということで、前提としては、社会保険労務士(社労士)をお考えの上で、アウトソーシングはほとんどの事務所が対応できると考えてよいです。この作業には、「処理速度が早い遅い」「納品がデータか紙か」等はありますが、結果的には手続きですので、大きな差は発生しないと思います。
契約の仕方は、毎月固定的な費用が必要な顧問契約と、一時対応、一時利用という意味のスポット対応の契約がありますが、社会保険労務士(社労士)は基本的には顧問契約の方が多いです。スポット対応は請け負っていない社会保険労務士(社労士)もあります。
給与計算の代行も多くの社会保険労務士(社労士)が請け負っています。
タイムカードを渡せば計算してくれるかどうかや、給与明細書がデータか紙か、WEBでの明細書発行があるか等の違いがあり、よく議論になる点が、年末調整を行っているかどうかです。
年末調整は税理士先生の業務として請け負っていない社会保険労務士(社労士)も多いです。
労働関係法に関する業務についても主な業務範囲になります。
時間外労働協定(36協定)や変形労働制手続き代行等の労基法関係の手続き代行については、どの社会保険労務士(社労士)も対応できます。
就業規則作成については、労働トラブルの相談の経験値によって、差が出ます。
労働トラブルが発生した場合は就業規則がどうなっているのかという部分が非常に重要です。
労働トラブル経験値が、そのまま就業規則のノウハウの差になると感じています。
労働組合との関わり合いの経験値も、経験の有無も差が出やすい部分です。
助成金手続き代行を行っている社会保険労務士(社労士)は意外と少ないです。2割程度と感じます。
弊所も、助成金手続きサービスは現在停止状態です。
助成金は、ほかの手続き代行に比べ、対応期間が長期にわたり、煩雑な手続きが必要で、種類が多いためという点。また、助成金は手続き完了して入金時点でご請求が発生するため、作業と入金の期間の差が一年半以上になり、運営が難しくなる。そして、助成金自体が毎年変動があり、安定的な経営ができない等の表面的な理由はいくつか考えられますが、実際に長年取り扱ってきた弊所においては、助成金申請を通じて、顧客との信頼関係が壊れてしまうことが多く、これにより従業員が多くのストレスを抱え、離職する。再度、採用活動コスト、教育コストを支払ってまで対応を続けるほど、採算性が高くなく、強メンタルのボランティア精神でしか業務が続けられないからです。
上記をまとめると、若手社労士は、無鉄砲に対応されていますが、従業員にその作業を任せはじめると、気づけば凄く気が重い業務となり、5年後から、もう助成金は取り扱わないでおこうかな?と辞めてしまう社労士が多いという状況です。それでも組織的にちゃんと採算がでる手数料で 対応されている事業所もありますので、ご希望であれば、20人以上のスタッフを抱え、スケールしている事業所を選択されることとお勧めします。参考に手数料にして30%程度が適正な手数料です。
年金事務所、公共職業安定所(ハローワーク)、労働基準監督署、労働局、県、市、町等の役所から調査を受ける場合があります。
調査対応は、ほとんどの社会保険労務士(社労士)が対応できます。
経験値も幾分かは影響しますが、法的な部分で調査を受けるため、多くの場合はどの社会保険労務士(社労士)に頼んでもほとんど同じです。
人材派遣や職業紹介事業の手続きは、他の手続きより頻度が少なく、一度も手続きを行ったことがない社会保険労務士(社労士)もいると思います。
また、介護事業所に関して、処遇改善加算等の手続きに関しても、対応したことがないという社会保険労務士(社労士)もいます。
社会保険労務士(社労士)と一口に言っても、請け負っている業務は多岐にわたります。職長教育やメンタルヘルス、キャリアコサルタントといった従業員の研修やコーチングのサービスを行っていたり、採用面接に一助になる採用試験の提供、また行政書士を保有している社会保険労務士(社労士)も多く存在し、他許認可も対応している事務所もあります。
行政書士もそうですが、弁護士、税理士、公認会計士、司法書士といった士業のつながりがあるかどうかも、いざとなったときに助かります。
ITスキルの高さも業務をスムーズに行う上で重要な要素です。FAXをメインに利用する社会保険労務士(社労士)も多く、ベテランの経営者はそちらの方が相性は良いと思いますが、若い経営者にはギャップを感じるかもしれません。
金融商材を扱っている社会保険労務士(社労士)もあり、フルハップをはじめ、損害保険、生命保険、確定拠出年金(企業型、個人型)もアドバイスを行う事務所もあります。
全国的には、コンサルタントと同様にネットワーク構築、システム構築や、ホームページ作成、求人チラシ作成等も行っている事務所も増えてきております。
所長や職員の前職に大きく影響するところですので、ホームページでのサービスの確認と社会保険労務士(社労士)の前職や、職員情報も聞いてみると参考になると思います。
Q1)一時利用は可能か?
A1)スポット対応(一時利用)は可能です。
Q2)給与計算は、年末調整計算まで請け負っているか?
A2)税理士先生に相談の上、対応可能。年末調整計算を行うためには、毎月の給与データが必要です。年末調整のためだけに給与データを受領し、年末調整計算を行うことは税理士先生にとって手間になり、お客様にコストがかかることがあります。また、税理士先生とのお付き合いがなく、自社で計算をしている場合等、年末調整計算が必要であれば対応可能です。しかし、法定調書等の税務署へ提出書類については、代行を行うことができません。
Q3)取引先の中で多い業種は?また対応件数(会社数)は?
A3)製造業、建築建設業、介護業、サービス業が多いです。対応件数は、現在累計で210社程度です。
Q4)他士業を紹介してくれますか?
A4)弁護士先生、税理士先生、公認会計士先生、司法書士先生、行政書士先生とのつながりがありますので、紹介可能です。
Q5)労働組合対応の経験はあるか?
A5)対応経験はあります。
Q6)就業規則作成は、内容を説明してくれますか?
A6)説明を行い、内容を理解していただいたうえで納品いたします。
Q7)助成金申請は、対象になる助成金を提案していただけますか?
A7)弊所は、助成金申請サービスを現在停止しております。
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